【週次考察】2026/4 W2 イラン停戦ラリー・半導体・決算シーズン

📌 本記事は公開情報をもとにした情報整理と個人的な考察です。
特定の銘柄への投資を勧誘・助言するものではありません。投資に関する最終判断はご自身の責任のもとで行ってください。株式投資にはリスクが伴います。

目次

今週の日本株市場
「停戦ラリーと懐疑売り」が交錯した一週間

週全体のまとめ

今週の日本株市場は、ひと言で表すなら乱高下しながらも、結果的に大幅上昇した週でした。

日経平均株価(東京証券取引所に上場する代表的な225銘柄の平均株価)は、週の始値が約53,100円台だったのに対し、週末4月10日(金)の終値は56,924円。週間の上げ幅は3,800円超、上昇率にして約7%という、かなり大きな動きです。

相場を動かした「3つの要素」

① 中東情勢 停戦ラリーによる情勢不透明

今週の相場の核心は、米国とイランをめぐる中東情勢でした。

背景を簡単に整理すると——2026年2月末に米国・イスラエルがイランを攻撃したことで戦争状態に突入。以来、ホルムズ海峡(世界の原油の約2〜3割が通過する重要航路)の封鎖リスクが高まり、原油価格が高騰、世界の株式市場が動揺し続けていました。

そこへ4月8日(水)、仲介国パキスタンが「米・イラン即時停戦合意」を発表。東京市場はこれを好感し、日経平均は一日で約2,878円高という歴史的な急騰を記録しました。

ただし翌9日(木)には合意内容への懐疑が広がり、約413円の反落。停戦合意前後で原油先物価格が一時1バレル119ドルまで急騰するなど、情勢の不透明感は続いた一週間でした。

② AI・半導体株の上昇トレンド継続

中東リスクの陰に隠れがちですが、もう一本の柱がAI・半導体セクターの堅調さです。

米国では、半導体株で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が最高値を連日更新。この流れが東京市場にも波及し、アドバンテスト(半導体テスト装置)、キオクシア(NANDフラッシュメモリ)、フジクラ(光ファイバーなどAIデータセンター向け)といった銘柄が週を通じて注目を集めました。

市場では「エネルギー株から半導体株へのセクターローテーション(資金の乗り換え)」が進んでいるとの見方も出ています。

③ ファーストリテイリングの好業績が指数を牽引

4月10日(金)、ユニクロを展開するファーストリテイリングが今期業績の上方修正を発表し、株価が約12%高の上場来高値を更新しました。同社は日経平均への寄与度(指数への影響力)が特に大きい銘柄のひとつで、この日の指数上昇に大きく貢献しました。

【個人考察】今週の市場で気になったこと
決算反応の格差と、半導体・自動車の読み方

※以降はあくまで筆者個人の見方・観察です。

「決算を出した銘柄がどう動いたか」が面白かった

今週、個人的にもっとも興味深かったのは、決算発表に対する市場の反応の差でした。

代表格はファーストリテイリング。4月9日の引け後に今期の純利益を前期比11%増・6年連続最高益の見通しと発表すると、翌10日に株価が約12%上昇し、初めて7万円台・上場来高値を更新しました。決算の中身が市場の期待を上回ったとき、株価がこれほど素直に反応するのかと、改めて実感した場面でした。

一方でスーパーや外食チェーンの一角(イオン、サイゼリヤなど)は、決算や業績見通しが嫌気されて急落する銘柄も見られました。同じ「消費関連」でも、業績の中身次第でこれほど明暗が分かれる点は、これから本格化する決算シーズンを前にして、頭に置いておきたい構図だと感じています。

また、半導体製造装置のローツェは4月9日に「来期2期ぶり最高益・増配」を発表し、翌日の株価が+21%超という非常に強い反応を見せました。「好業績+増配」の組み合わせが今の市場でどう評価されるかを示す一例として、印象に残っています。

半導体は「強い」が、足元の値動きの荒さには注意が必要そう

米国のSOX指数が最高値を連日更新する中、東京市場の半導体関連銘柄も週を通じて物色されていました。キオクシアは4月10日に初の3万円台・連日の上場来高値更新と、勢いを見せています。

ただ、4月9日にはOpenAIのデータセンター計画見直し報道を受け、フジクラや古河電工が一日で10%前後急落する場面もありました。「AI・半導体」というテーマへの期待は根強い一方で、悪材料への反応も非常に速いのが足元の状況だと感じています。来週のTSMC決算は、この流れを占う上で注目度が高いイベントになりそうです。

自動車は「見えにくいリスク」が積み上がっている印象

自動車セクターは今週それほど目立った値動きはなかったものの、個人的に気になっているセクターです。

トヨタの直近決算では、売上は増収ながら営業利益が前年同期比13%減。背景には原材料費・諸経費の増加に加え、米国の関税政策リスクが通期見通しに影を落としているようです。また中東情勢による原油高——つまりエネルギーコストの上昇——は、製造業全体にとってじわじわと利益を圧迫する要因にもなり得ます。足元でのド派手な株価変動はないものの、個人的にはこのセクターに積み上がりつつあるリスクを少し注意して見ています。

チャート面で気になっていること

一つは、日経平均が57,000円を超えてくると「上値が重くなりやすい水準」に差し掛かる点です。2月末につけた高値(約58,850円)が直近の意識されやすいレジスタンス(株価の上値抵抗)として機能しやすいと見ています。

もう一つは、TOPIXと日経平均の動きのかい離です。4月10日は日経平均が+1,028円と大幅高だった一方、TOPIX(東証株価指数)は下落しました。値がさ株(株価が高い一部の銘柄)主導の指数上昇は、市場全体の底上げとは異なる場合があります。「日経平均は上がっているが、多くの銘柄は動いていない」という状態が続く場合、相場の広がりという点では注視が必要だと感じています。

来週に向けて押さえたいこと

この土日(4月11〜12日)、米国とイランの停戦交渉がパキスタンで行われましたが、合意に至らず決裂という結果に終わりました。週明けの相場は、この地政学リスクが改めて意識される可能性があります。

一方、今週から始まる米国の企業決算シーズン(JPモルガンなど大手金融、TSMCなど半導体大手)は、日本株の方向感を左右する重要な材料です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次