SpaceX IPO完全解説【2026年8月15日最新】Starship第13回試験成功・株価140ドル台で推移

更新情報

2026年8月15日更新
SpaceX株(SPCX)は2026年8月15日時点で140.00ドルで取引されています(前日終値141.29ドル)。IPO価格(135ドル)付近での水準で、上場来高値225.64ドルから約▲38%の位置です。7月24日にStarship第13回試験飛行が成功し、株価は120ドル台の底値から回復傾向にあります。

2026年7月18日更新
SpaceX株(SPCX)は2026年7月18日時点で123.99ドルまで下落し、IPO価格(135ドル)を割り込みました。上場来高値225.64ドルからは約▲45.1%の下落です。7月16〜17日のStarship第13回飛行試験の突然中止、中国AIショックによる市場全体の下落、迫るロックアップ解除など複数の悪材料が重なっています。

この記事でわかること

  • SpaceXのIPO概要と、上場来高値から▲45%超・IPO価格割れに至った経緯、そこからの回復
  • 株価急落の3要因(Starship試験中止・中国AIショック・ロックアップ解除迫る)
  • SpaceXの事業モデルと3つの収益柱
  • テスラIPO(2010年)との驚くべき類似点と決定的な違い
  • 日本から投資する方法(SBI証券・楽天証券)
  • Morningstar目標株価62ドルという厳しい評価と、アナリスト間の大きな乖離

目次

SpaceXがついに上場

2026年6月12日 歴史が動いた

2026年6月12日、宇宙開発企業SpaceX(スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ・コープ)が米ナスダック(NASDAQ)に上場しました。ティッカーシンボルは「SPCX」です。

公募価格1株135ドル、評価額1.75兆ドル(約280兆円)。サウジアラムコが2019年に打ち立てた人類史上最大のIPO記録を遥かに上回る、前代未聞の規模での上場となりました。

💡 IPO(新規株式公開)とは: 非上場だった企業が初めて株式市場に株式を公開し、一般の投資家が売買できるようにすることです。「上場」とも言います。

過去最大のIPOと上場の規模感を比較

IPO企業名調達額企業評価額
史上最大SpaceX(SPCX)2026年約857億ドル(約13.7兆円)約1.75兆ドル(約280兆円)
従来の最大サウジアラムコ2019年約290億ドル約1.7兆ドル
アジア最大アリババ2014年約250億ドル
国内最大級ソフトバンク(日本)2018年約2.4兆円

SpaceXとはどんな会社か

イーロン・マスクが2002年に創業した宇宙インフラ企業

SpaceXは2002年にイーロン・マスク氏によってカリフォルニア州で創業された民間宇宙企業です。当初は「人類を多惑星種族にする」という壮大なミッションを掲げたベンチャーでしたが、現在は世界最大の商業ロケット打ち上げ企業であり、衛星インターネット「Starlink」を運営するグローバルな通信インフラ企業でもあります。

SpaceXの3つの収益柱

SpaceXの事業は大きく3つに分かれています。それぞれの現状と課題を整理します。

① Connectivity(Starlink)唯一の黒字事業

SpaceXが運営する衛星インターネットサービスです。地球の低軌道に約9,600基の通信衛星を打ち上げ、世界164ヶ国・地域にインターネット接続を提供しています。

加入者数の伸びはまさに驚異的です。2023年末の230万人が2024年末に460万人、2025年末には920万人と3年連続で倍増を続け、2026年3月末には1,030万人に達しました。164ヶ国・地域でサービスを展開しており、分析会社はこれを「人類史上最速で成長したインターネットサービスプロバイダーのひとつ」と評しています。スターリンクの調整後EBITDAマージンは驚異の63%で、2026年第1四半期だけで営業利益12億ドルを稼ぎ出しており、今や「宇宙のAT&T」とも呼べる巨大な通信インフラ企業に変貌しています。

② Aerospace(ロケット打ち上げ)圧倒的シェアを持つが赤字継続

Falcon 9・Falcon Heavyによる商業ロケット打ち上げサービスです。政府・民間の衛星打ち上げで圧倒的なシェアを誇りますが、次世代ロケット「Starship」への巨額開発投資が続いており、このセグメント単体では赤字が続いています。

③ AI(xAI・Grok・宇宙データセンター)最大の損失源かつ最大の賭け

2026年2月にイーロン・マスクのAI企業「xAI」をSpaceXに統合しました。AIアシスタント「Grok」の開発・運用と、宇宙空間でのAIデータセンター構想を推進中です。AIセグメントの営業損失だけで2025年通期に63.6億ドルに達しています。

事業セグメント2025年売上高(概算)損益状況将来性
Starlink(通信)約113.9億ドル✅ 黒字(EBITDA 63%)加入者数の継続拡大
ロケット打ち上げ約50〜60億ドル❌ 赤字(Starship投資)Starship完成で急拡大期待
AI(xAI統合)❌ 赤字(63.6億ドル損失)「宇宙×AI」の長期賭け

出典: SpaceX S-1(目論見書)、Investing.com、マネックス証券メディア


SpaceX IPOの詳細データ

上場概要

項目内容
上場日2026年6月12日(金)
上場市場NASDAQ(米ナスダック)
ティッカーシンボルSPCX
公募価格135ドル(1株)
初値150ドル(公募比 +11.1%
上場来高値225.64ドル(6月16日)
上場来安値104.83ドル(8月3日)
2026年8月14日終値140.00ドル
調達額約750億ドル → オーバーアロットメント行使で約857億ドル
上場時の企業評価額1.75兆ドル(約280兆円)
引受主幹事ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、BofA、シティ、JPモルガン

💡 オーバーアロットメント・オプションとは: IPO時に需要が旺盛な場合、引受証券会社が当初予定より多くの株式を追加で販売できる権利です。大型IPOの引受会社がオーバーアロットメント・オプションを行使したことで、調達総額が857億ドルに拡大しました。

出典: Investing.com、EBC Financial Group、楽天証券

上場後の株価推移

日付株価(概算)動き・主な理由
6月12日(上場日)149〜162ドル初値150ドル、初日終値約161ドル
6月13日171ドル台+6.7%急騰。ARKが保有積み増し発表
6月16日225.64ドル上場来高値。時価総額一時2.7兆ドル超
6月17〜18日178〜201ドル利益確定売りで調整開始
6月19日190ドル台オプション取引開始でボラティリティ増幅
6月22日175ドル台200億ドルの社債発行計画発表で▲5%
6月23〜24日154〜156ドルバーンスタイン弱気レポート・マイクロン決算警戒
7月1日157ドル台マスク氏がAIハードウェア噂を否定・FAA規制発表で▲7.8%
7月16日131ドル台Starship V3第13回飛行試験がエンジン点火直後に中止
7月18日123.99ドルIPO価格割れ・上場来安値更新。▲45.1%(高値比)
7月24日Starship第13回試験飛行が成功。マスク氏「over the moon」と称賛
7月25日〜 8月15日130〜140ドル台Starship成功を受けて株価が回復
IPO価格を僅かに上回る水準で推移中
TradingView提供のチャート

なぜSPCXは急落したのか –> 6月〜7月の5つの要因

上場来高値225.64ドルから123.99ドルまで、約5週間で約45.1%下落しIPO価格も割り込みました。6月の3要因に加え、7月に新たな悪材料が2つ加わっています。

【6月の要因①】200億ドルの社債発行による資金不足懸念

SpaceXは初の200億ドルの社債発行計画を発表しましたが、キャッシュ燃焼率への懸念から株価はピークから20%超下落しました。IPO直後の資金調達に加え、xAIとの合併に伴うブリッジローンの借り換えや、Cursor買収を含む巨額のAI投資が市場の不信感を招いています。

アナリストは2031年までに設備投資が1兆ドルを超え、純債務が4,000億ドル規模に達すると予測しています。この急速な拡大路線と膨大な負債負担が、財務健全性を揺るがすリスクとして意識されています。

【6月の要因②】高バリュエーション(PSR100倍超)への警戒

著名な空売り投資家ジム・チェイノス氏は、売上高の100倍以上の評価額が付いた株式を購入しても投資家が利益を得ることはほとんどないと公言しました。SpaceXはこの基準を大幅に超えており、株価売上高倍率(PSR)は3桁に達しています。

💡 株価売上高倍率(PSR)とは: 株価が売上高の何倍まで買われているかを示す指標です。「PSR116倍」という場合、年間売上高の116年分が株価に織り込まれていることを意味します。通常の優良企業は5〜15倍程度が目安とされます。

PSR116倍は、今後10年の高成長を高い確度で前提にした価格であり、達成して初めて横ばいが正当化される水準にあるとの指摘もあります。

【6月の要因③】流通株式数の少なさとオプション取引によるボラティリティ増幅

公開株式数が比較的小さく、評価額が高いことから、投資家はスペースXの上場初期に高いボラティリティを経験しています。流通株式数が発行済み株式総数の約4%と極めて限られているため、上下双方向への値動きが増幅されやすい構造です。

また、Cboeを含む取引所でSPCXオプションの取引が開始されたことも、値動きを加速させました。マーケットメーカーによるデルタヘッジ活動が機械的に日中の価格変動を増幅させています。

💡 デルタヘッジとは: オプション取引を扱う業者(マーケットメーカー)が、自社のリスクを抑えるために株式を売買する仕組みです。SPCXのように株式数が少ない銘柄では、この売買が株価そのものを大きく動かすことがあります。

【7月の新要因④】Starship第13回飛行試験 中止から成功へ

7月16日の第1回試験試みは6基のエンジン問題でT-0秒直前に自動中断、7月23日の第2回試みも悪天候でスクラブとなりました。しかし7月24日(現地時間)の第3回試みで正常に打ち上げが成功しました。

SpaceXは13回目のStarship試験飛行を実施し、巨大ブースターがテキサス州湾岸沖に着水(やや硬い着水ではあったが)する一方、Starship上段機は20基の次世代Starlink V3衛星を展開しインド洋に着水しました。

Flight Test 13はShip 40の打ち上げから着水まで成功し、宇宙空間でのStarshipエンジン再点火テストも完了しました。マスク氏はFlight 14でMechazillaによるStarship捕獲を行うと発表しました。

💡 Starshipが株価に直結する理由: SpaceXの長期的な成長シナリオ(宇宙輸送コストの劇的削減・軌道上データセンター構想)の核心はStarshipの実用化にあります。試験が続けて中断されることは、高バリュエーションの前提への疑問に直結します。なお5月の第12回試験飛行でもエンジン問題が発生しており、FAAによる調査が行われていた経緯があります。
ただし、Starship成功を受けて株価は120ドル台の底値圏から140ドル台まで回復し「最大の懸念材料の解消」として市場に好感されました。

【7月の新要因⑤】中国AIショックと迫るロックアップ解除

7月17〜18日にかけて、中国AIの急速な進展を懸念した「中国AIショック」が米国市場を直撃しました。ナスダック総合指数が1.4%安、半導体株が弱気相場入りという厳しい環境となり、AI・テクノロジー銘柄全体に売りが波及。SpaceXもこの流れに巻き込まれました。

さらに、次回決算発表日は2026年8月6日と予定されており、決算後に標準的なロックアップ対象株の約20%が売却可能になる見込みです。市場はこの売り圧力を先読みした動きも出ています。

◎ポジティブな材料 国防総省との大型AI契約交渉

WSJの報道によれば、SpaceXは国防総省にAIクラウドコンピューティング能力を数十億ドル規模で提供する交渉が進行中とされています。この報道を受けて株価は一時的に買いが入り損失を縮小する場面もありました。しかし上昇は持続せず、7月18日は最終的に▲5.43%で取引を終えています。

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テスラIPO(2010年)との徹底比較

なぜ「SpaceXはテスラと似ている」と言われるのか

イーロン・マスク氏が2010年のテスラ上場時と同様の手法を繰り返しているとする投稿も広く共有されました。テスラは初日の終値が公開価格17ドルを40.5%上回った。その数か月後には2倍近くまで急騰したが、数週間で約4分の1値を下げた。

SpaceXとテスラのIPOには驚くほど多くの共通点があります。一方で、根本的に異なる点もあります。投資判断の前に、この比較を理解することが重要です。

IPO時の基本データ比較

比較項目テスラ(TSLA)SpaceX(SPCX)
上場日2010年6月29日2026年6月12日
上場市場NASDAQNASDAQ
公募価格17ドル135ドル
初値19ドル(公募比+11.8%)150ドル(公募比+11.1%
初日の値動き公募比 +40%超(終値)公募比 +約19%(終値)
調達額2.26億ドル857億ドル
上場時の時価総額17億ドル1.75兆ドル
上場時の業績赤字(累積赤字290億円)赤字(2025年純損失49億ドル)
創業者イーロン・マスク(共同創業)イーロン・マスク(創業)
主力事業EV(電気自動車)宇宙ロケット+Starlink+AI

出典: 日本経済新聞(テスラ上場記事2010年)、ipokiso.com、マネックス証券メディア

類似点①「赤字企業×革命的テクノロジー×マスク」の構図

2010年6月29日、テスラはNASDAQに上場。公開価格17ドルで約2億2600万ドルを調達。累積赤字290億円、販売台数1063台という状況下での「賭け」だったが、株価は初日終値で40%高を記録した。引受主幹事はゴールドマン・サックスが務め、モルガン・スタンレー、JPモルガンが幹事団として名を連ねた。

テスラもSpaceXも、上場時は「赤字企業」でした。そして両社とも引受主幹事はゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、JPモルガンという同じ顔ぶれです。「採算が取れていないのに、なぜこれほどの評価をされるのか?」という問いへの答えは、「将来の爆発的成長への期待」という点でも一致しています。

類似点②「初値比+11%台」という奇妙な一致

テスラの初値は公募価格比+11.8%、SpaceXは+11.1%と、わずかしか差がありません。「宇宙×テスラ」「マスク銘柄」という市場の期待感が、上場日の盛り上がりを作り出した構図も共通しています。

類似点③上場後の急騰から急落のパターン

テスラは初日の終値が公開価格を40.5%上回った。その数か月後には2倍近くまで急騰したが、数週間で約4分の1値を下げた。現実には単純な比較では語れない。

SpaceXも上場後わずか4日で公募比+67%まで急騰(225.64ドル)した後、その後の1週間で約▲31%という、テスラ以上に急激な調整を見せています。2026年6月25日時点の状況だけを見れば、「急騰してから急落する」というテスラ初期のパターンを、より短期間・より大きな振幅で再現していると言えます。

テスラIPO後の株価の歩み(教訓として)

時期テスラ株価(株式分割調整後)出来事
2010年6月(IPO)約1.27ドル(公募価格換算)上場。当初は「EV懐疑論」が支配的
2013年約2〜17ドルモデルSの販売成功で急騰
2019年約20〜70ドルモデル3の量産成功・黒字転換へ
2020年12月約240ドルS&P500組み入れで急騰
2021年11月(高値)約414ドル時価総額1兆ドル突破
2022年末約100ドルマスクのTwitter買収・金利上昇で急落
2026年現在約350ドル長期では公募比+約27,500%超

出典: マネックス証券メディア(テスラIPO検証記事)、Yahoo!ファイナンス

決定的な違い①規模が桁違い

最も重要な違いは「スタート地点の時価総額」です。テスラのIPO時の時価総額は約17億ドルでした。SpaceXはその1,000倍以上の1.75兆ドルでスタートしています。

💡 これが意味すること: テスラは17億ドルから始まって1兆ドルを超えたため、約600倍のリターンが生まれました。SpaceXが同じ倍率を達成するには時価総額1,000兆ドルを超える必要があり、現実的ではありません。つまり、SpaceXはテスラのような「奇跡のリターン」は期待しにくい構造にあります。

決定的な違い②黒字化しているかどうか

項目テスラ(IPO時)SpaceX(IPO時)
主力事業の利益率低い(EV量産初期)StarlinkはEBITDA 63%(非常に高い)
全社損益赤字(全事業赤字)赤字(AIセグメントが重荷)
黒字転換時期IPOから約10年後(2020年)未確定(xAI統合コストが膨大)

Starlinkという「利益率63%の巨大な稼ぎ頭」を持っている点はテスラIPO時にはなかった強みですが、xAI統合コストがそれを打ち消している構図です。

決定的な違い③議決権の集中度

マスクは議決権の85.1%を握っています。これはガバナンス(企業統治)上のリスクです。テスラ・スペースX・xAI・X(旧Twitter)・NeuraLinkを同時に抱え、さらに政治活動まで行うマスクが、スペースXに十分な経営資源を割けるかという懸念があります。

テスラも上場後しばらくはマスク氏の多大な影響力下にありましたが、SpaceXの85.1%という議決権集中はさらに極端です。


SpaceXの強みとリスクを整理する

SpaceXの3つの強み

① Starlinkという「宇宙のインフラ独占」

既存の通信会社と異なり、SpaceXは衛星そのものを自社で製造・打ち上げ・運用しています。衛星インターネット市場での圧倒的な先行優位(ファーストムーバーアドバンテージ)を持っており、約170億ドルを投じてEchoStarの無線周波数帯ポートフォリオを買収し、スマートフォンが外部アクセサリーなしで衛星と直接接続できる次世代技術「Starlink Direct-to-Cell」も2026年5月にFCCの承認を得ました。

② ロケット打ち上げの圧倒的な技術優位

再使用型ロケット「Falcon 9」による打ち上げコストの大幅削減は、競合他社が簡単に追いつけない技術的な堀(モート)です。政府・民間の衛星打ち上げ市場でのシェアは圧倒的です。

③ NASDAQ100への早期組み入れによる需給インパクト

NasdaqはIPO後15営業日でNasdaq 100指数に採用されるよう規則を変更しており、パッシブ投資家は知らずに投資することになります。上場から15営業日後(2026年7月上旬頃)に、インデックスファンドからの大量の買い需要が発生することが予想されています。

SpaceXの3つのリスク

① 巨大な赤字と黒字転換時期の不透明さ

2025年は26億ドルの営業損失、2026年第1四半期の純損失は43億ドルに達しています。Starlinkは黒字ですが、Starship開発費とxAI統合コストが重荷となっており、いつ黒字転換するかは不透明です。

② イーロン・マスクリスク

SpaceXの評価額の相当部分は「マスクというブランド」に依存しています。テスラ・xAI・X(旧Twitter)・NeuraLinkなど複数の企業を同時経営し、政治活動にも携わるマスク氏が経営に集中できるかという懸念は常につきまといます。

③ ロックアップ解除による売り圧力

マスク氏以外のロックアップは段階的に解放されます。最短で2026年6月30日に、保有株式の約20%が解除されます。6月30日以降、早期の売り圧力に注意が必要です。

💡 ロックアップとは: IPO後の一定期間、既存株主(創業者・初期投資家・社員など)が株を売却できないようにする制限です。ロックアップが解除されると大量の売り注文が出やすくなります。


日本から投資する方法

日本の証券会社でSpaceX株を購入できるか

日本でも楽天証券・SBI証券・マネックス証券といった主要ネット証券が上場初日から取り扱いを開始し、個人投資家が殺到しました。IPO時の抽選は終了していますが、現在はセカンダリー(上場後の通常売買)として購入できます。

主要証券会社での購入方法

証券会社取り扱い特徴
SBI証券米国株サービスで1株単位から購入可能
楽天証券円貨決済対応(為替手数料1ドルあたり25銭)
マネックス証券米国株取引に強み
au カブコム証券要確認米国株サービス経由

💡 米国株は1株から購入できます: 日本株は通常100株単位ですが、米国株は1株から購入可能です。SpaceXが156ドル前後の場合、約1株=約24,000円(1ドル=155円換算)で投資できます。

購入時の注意点

  • 為替リスク: 米国株は米ドル建てのため、円高になると円換算の資産価値が下がります
  • 時差: 米国市場の取引時間は日本時間で夜間〜深夜です(夏時間:22:30〜翌5:00)
  • 税金: 米国株の売却益・配当は日本で確定申告が必要(特定口座を使うと自動)
  • ボラティリティの高さ: 流通株式数が少なく、IPO直後は値動きが極端に大きくなりやすい銘柄です。短期間で±20〜30%動くことも珍しくありません

SpaceXに投資すべきか

アナリストの目標株価(2026年7月18日時点)

機関・アナリスト見解目標株価
みんかぶ AI買い理論株価232.44ドル
(現在値の約+66%)
Morningstar(Nicolas Owens氏)懐疑的62ドル(現在値からさらに約▲50%)
主要アナリスト平均(強気)買い継続Starlinkの長期価値を評価

💡 アナリスト間の大きな乖離: 目標株価が62ドル(Morningstar)から232.44ドル(みんかぶAI)と約4倍の差があります。これはSpaceXの価値評価が極めて難しく、前提条件(Starshipの実用化時期・xAIのコスト負担・Starlink成長率)によって結論が大きく変わることを示しています。

Morningstarのアナリスト、Nicolas Owens氏はxAI部門について「価値破壊の重大な脅威」になり得ると表現しました。さらに、現在の評価額が前提とする2つの節目、すなわち2028年までにStarshipの迅速な再利用と軌道上データセンターの商業的競争力が実現するシナリオについて、確率をわずか7%と評価しています。

出典: みんかぶ米国株(2026年8月16日時点)、財経新聞(Morningstar評価)

強気派と慎重派の論点

強気派の主な根拠

  • Starlinkの加入者数が年間倍増ペースで成長中
  • Starshipが完成すれば打ち上げコストが劇的に低下し、宇宙輸送市場を独占する可能性
  • NASDAQ100組み入れによる大規模なパッシブ資金の流入
  • 宇宙×AI×通信という「3つの成長産業」を一社で持つ希少性
  • マスク氏の「2030年に売上1兆ドル」という目標

慎重派の主な根拠

  • 2025年純損失49億ドル。いつ黒字転換するかが不明
  • 評価額1.75兆ドルは2025年売上高187億ドルの約94倍(P/S比94倍)という極端な高バリュエーション
  • マスク氏の85.1%議決権集中によるガバナンスリスク
  • Amazonの衛星インターネット「Project Kuiper」との競争激化
  • 6月30日以降のロックアップ解除による売り圧力

過去の大型IPOから学ぶ教訓

大型テックIPO後の株価パターン

歴史的に、話題性の大きいIPO銘柄は上場後しばらくの間、激しい値動きをする傾向があります。

IPO銘柄上場後1年間の最大下落率その後の展開
テスラ(2010年)上場から数ヶ月で約▲25%長期では+34,000%超
スノーフレーク(2020年)上場から1年で約▲50%その後も大幅に下落
リビアン(2021年)上場から1年で約▲80%大幅下落が続く
コインベース(2021年)上場から1年で約▲85%仮想通貨市場と連動
サウジアラムコ(2019年)上場後に下落長期では配当で回収

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SpaceXが宇宙産業全体に与える影響

「SpaceXハロー効果」宇宙関連株への波及

スペースXの歴史的IPOは、同社だけでなく宇宙関連セクター全体への資金流入を促す可能性があります。市場では「SpaceXの代替投資先(プロキシ銘柄)」を探す動きが活発化しており、宇宙関連株の売買高や注目度が上昇しています。アナリストの間では、SpaceX上場が宇宙産業全体の評価水準を押し上げる「SpaceXハロー効果」を生み出すとの見方も出ています。

注目の宇宙関連銘柄(日本株・米国株)

米国株(宇宙関連)

銘柄ティッカー事業内容SpaceXとの関係
Rocket LabRKLB小型ロケット打ち上げ・衛星製造「小型版SpaceX」として注目
Maxar Technologies宇宙インフラ・衛星データ宇宙インフラ関連
IridiumIRDM衛星通信(低軌道)Starlink競合

日本株(宇宙関連)

SpaceXの上場を機に、日本の宇宙関連銘柄にも注目が集まっています。宇宙部品・衛星通信・ロケット関連素材を手がける企業が物色されやすくなります。


よくある質問(FAQ)

SpaceX株(SPCX)はいくらから買えるか?

日本の主要ネット証券(SBI証券・楽天証券・マネックス証券)では、米国株として1株単位から購入できます。2026年6月24日時点で株価は156.11ドル(約2.4万円程度、1ドル155円換算)まで下落しており、上場来高値の225.64ドルからは約30.8%低い水準です。なお、IPO時の抽選は終了しており、現在は通常の株式市場での売買となります。

なぜSpaceX株はこれほど急落したのか?

主な要因は3つです。①200億ドルの社債発行計画の発表により「資金が不足しているのでは」という懸念が広がったこと、②株価売上高倍率(PSR)が100倍を超える高バリュエーションへの警戒、③流通株式数が発行済み株式の約4%しかないため値動きが極端に増幅されやすいこと、です。多くのアナリストは「事業の失敗ではなく、IPO直後に過熱した期待の調整」と評価しています。

テスラと同じように長期で持てば大きなリターンが得られるか?

テスラは約17億ドルの時価総額からスタートし1兆ドルを超えました(約600倍)。SpaceXはすでに1.75兆ドルという巨大な時価総額でスタートしています。テスラと同じ倍率のリターンを実現するには天文学的な規模が必要であり、現実的ではありません。「次のテスラ」として期待するのは、スタート地点の規模が根本的に異なるため、慎重な見方が必要です。一方で「急騰後に急落する」という値動きのパターンはテスラ初期とよく似ており、短期的なボラティリティの高さは共通しています。

6月30日のロックアップ解除後に株価はさらに下がるか?

ロックアップ解除後に既存株主が売りに出ると、株価にさらなる下落圧力がかかる可能性があります。すでに社債発行・バリュエーション警戒で売りが続いている中でのロックアップ解除となるため、注意が必要なタイミングです。ただし全員が一斉に売るわけではなく、アナリストの目標株価平均(187.80ドル)は維持されているため、実際の影響は不確実です。180日間のロックアップ期間全体を通じて、高いボラティリティが続く可能性があります。

Starshipの試験中止はどれだけ深刻か?

2026年5月の第12回試験飛行でもエンジン問題が発生しており、今回の第13回中止で2回連続のトラブルとなっています。SpaceXの長期的な成長シナリオの核心がStarshipにある以上、試験の遅延は重要な懸念材料です。ただしマスク氏は「数日以内に再試験を行いたい」とコメントしており、開発自体が止まっているわけではありません。Morningstarはこの「2028年までのStarship実用化」シナリオの実現確率を7%と評価しています。


まとめ

SpaceXのIPOは、調達額857億ドル・企業評価額1.75兆ドルという人類史上最大規模のIPOとして歴史に刻まれました。しかし上場からわずか5週間で、株価はIPO価格(135ドル)を割り込み、上場来高値から約45%下落するという激しい展開を見せています。

この記事のポイントをまとめると:

  • IPO概要: 公募価格135ドル・初値150ドル(+11.1%)・6月16日に225.64ドルの上場来高値を記録
  • 6月の急落要因: 200億ドル社債発行・PSR100倍超への警戒・流通株式数の少なさ
  • 7月の新要因: Starship V3第13回飛行試験が点火直後に中止(2連続トラブル)→ 第3回目で成功
  • アナリスト評価の大きな乖離: みんかぶAI目標株価244.5ドル vs Morningstar適正値62ドル(4倍の差)。Morningstarは「Starship実用化の実現確率7%」と評価
  • テスラとの比較: 急落パターンはテスラ初期と類似。ただし時価総額のスタート地点が1,000倍違い、テスラ級リターンは構造的に難しい
  • 日本からの投資: SBI証券・楽天証券・マネックス証券で1株(約1.9万円程度)から購入可能

⚠️ 免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。株価は大きく変動する可能性があり、元本割れのリスクがあります。過去のパフォーマンスは将来の結果を保証するものではありません。


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出典・参考資料

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